犬の僧帽弁閉鎖不全症

犬の僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症はどんな病気なんですか?

僧帽弁閉鎖不全症は、年を取ることで僧帽弁という弁が変化していくことで弁がうまく閉じなくなって血液が逆流しまい心肥大を起こす病気です。悪化すると血液循環が悪くなり、心臓の負荷が大きくなり肺に水が溜まって呼吸ができなくなります。肺に水が溜まる(肺水腫)と致死率が非常に高くなります。シーズー、ポメラニアン、チワワ、マルチーズ、キャバリアなどの小型犬がかかりやすいと言われています。

どうやったら病気に気づいてあげられますか?

「元気がなくなる」、「散歩をすると疲れる」、「咳をする」という症状が見られるようになります。8〜10歳くらいの少し年を取ったワンちゃんから発症することが多いので、「年を取って体力が衰えた」と見過ごされてしまうこともあります。検診やワクチン接種の時に獣医師が気付くことも多いですが、毛の絡まる様な咳やワンちゃんを抱っこして胸のあたりに手を当てたときに心臓のドキドキが強く感じたら危険信号です。一度獣医師の診察を受けましょう!

治療をすれば治るのですか?

完治するのは困難な病気です。人間の生活習慣病と同じく、薬を飲み続けながら心臓用フード、塩分を抑えたご飯を与えたり激しい運動を避けるなど、生活全般に気を付けてあげることで、進行がゆっくりな子はこれまで通り一緒に暮らすことができます。

どのような治療をするのですか?

まずは超音波やレントゲン、血圧測定や血液検査を行います。病気にかかっている場合は、血管を開く薬を与えます。病気が進行している場合は、心臓の動きを改善する薬や利尿剤等を投与して進行を抑えます。

当院の強みと当院ならではの治療法は?

当院では循環器検査を得意とする院長が定期的に心臓の検査をする事で、少しの進行もすぐに気付け、最適な薬の組み合わせで病気の悪化を防ぎます。さらに入院できる体制を整えていており、酸素湿度温度管理の出来るICUの設置や人工呼吸器による心原性肺水腫の呼吸管理治療など、高度な治療も行っています。

大学病院で循環器を担当していた経験から、内服で効果改善が得られない、心肥大により咳が止まらないようなワンちゃんは心臓に溜まった血を抜く「瀉血(しゃけつ)」も行うなど、他の病院では行っていない治療も得意です。

病気の進行が止まらない場合は手術が必要になりますが、再びワンちゃんと暮らせるよう信頼できる大きな動物病院と提携しています。

ワンちゃんの健康のために飼い主ができることを教えてください

まずは薬を切らさずに飲むこと!薬を飲みたがらないワンちゃんには、簡単な飲み方をお伝えしたり、飲みやすい薬に変えることもできます。次に2〜3か月おきに心臓の検査を受けることが重要です。午前中にご来院いただき、お昼の休診時間に心臓の超音波やレントゲン、血圧測定などの検査を行います。次に病気の進行状態を調べるとともに、飲んでいる薬が肝臓や腎臓に影響を与えていないかも確認します。あっという間に悪化することがあるので、早めに薬の量を調整するなど慎重に対応しています。

ワンちゃんのホームドクターでありたい

ワンちゃんたちは苦しみや辛さを言葉にして伝えることができません。一緒に楽しい時間を過ごすためには、病気が進行する前に飼い主さんが変化に気づいてあげることが大切です。当院は飼い主様への丁寧な説明をモットーに、ワンちゃんにとって最善の医療を目指しています。他の病院で治療が難しいと言われたワンちゃんの診察も歓迎します。ワンちゃんのホームドクターとして、お気軽にご来院ください!!

copyright 2019 tateishi animal hospital all rights reserved.