みなさんは「リハビリテーション(リハビリ)」と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?もしかすると、「動物病院にある特別な機械を使って、専門家が行うもの」という印象を持っている飼い主様も多いかもしれません。
しかし実際のところ、犬や猫のリハビリは動物病院だけで完結するものではありません。むしろ、ご自宅でのケアこそが、日々のリハビリの土台となる重要な役割を担っています。
特に、足腰が弱くなってきた高齢の犬や猫、手術後の回復を目指す子にとって、飼い主様と専門家が一緒に取り組む「二人三脚のリハビリ」が欠かせません。
今回は、調布市にあるタテイシ動物病院で実施している犬のリハビリについて、適応症例や効果、ご家庭でできるケアの方法などを解説します。
犬や猫のリハビリとは?どのような子に適応されるの?
犬や猫のリハビリは、もともとは人間の医療から応用された治療方法で、失われた身体機能の回復を目的とした医療的ケアのひとつです。動物医療においても、再び自分の力で立ち上がったり、歩いたりと、充実した生活を送れることを目指して行われます。
当院では、それぞれの症状や年齢、生活環境に応じて、適切な方法を選びながらケアを進めていき、以下のようなケースでリハビリを取り入れています。
・骨折や関節疾患など、整形外科の手術後
・椎間板ヘルニアや脳疾患などによる神経麻痺
・加齢による筋力低下や運動機能の衰え
また、リハビリは単独で行うものではなく、「治療の一環」として取り入れるものです。適切に継続してリハビリを実施することで、痛みの緩和や身体機能の維持に役立ち、結果的に犬や猫の生活の質を高めることができます。
骨折リスクの高い小型犬のために|橈尺骨骨折の原因や治療法についてはこちらからご確認ください
歩き方に異変がある小型犬は要注意|膝蓋骨脱臼とその治療法についてはこちらからご確認ください
リハビリの考え方とその重要性
リハビリというと、動物病院で専門的な機械を用いて行うものというイメージが強いかもしれませんが、もっとも大切なのは「ご家庭での継続的なケア」です。週に1〜2回、動物病院で処置を受けても、日常生活の中でのケアが不足していれば、十分な効果は得られません。
大切なのは、飼い主様が日常の中で無理なく行えるケアを継続して実施することで、筋力の低下予防や関節の可動域の維持に効果が期待できます。
さらに最近では、症状が出てから始めるのではなく、予防的にリハビリを取り入れることの重要性も注目されています。特に12歳頃を迎えた犬や猫には、老化による運動機能の低下を防ぐためにも、「アンチエイジング」としてのリハビリが効果的です。早い段階での介入が、その後の生活の質を大きく左右します。
タテイシ動物病院でのリハビリアプローチ
当院ではリハビリをご希望の飼い主様に対して、まず初回カウンセリングを実施しております。その際に、犬や猫の身体的な状態や、ご家庭での生活環境などを詳しく確認させていただきます。
その上で、個々の状態に応じたオーダーメイドのリハビリプランを作成し、無理のない範囲で取り組めるようにご提案します。
プラン作成後は、専門スタッフが飼い主様にリハビリ方法をご説明し、ご自宅でも再現できるようにレクチャーを行います。この指導を担当するのが、愛玩動物看護師の土井です。

土井看護師は前職でリハビリを専門に業務を担当し、セミナーなどで技術と知識を深めてきた経験があります。現在は週に3~4頭の犬のリハビリを担当しており、多くの飼い主様から信頼を寄せられています。
土井看護師は明るく親しみやすい性格で、飼い主様とも積極的にコミュニケーションを取っています。飼い主様の不安に寄り添いながら、わかりやすく、丁寧にアドバイスいたしますので、初めての方でも安心してご相談いただけます。
なお、動物病院でしか行えない器具を用いたリハビリも可能です。必要に応じて、レクチャー後にわんちゃんを一時的にお預かりし、獣医師と看護師が連携して施術を行います。これらの施術は主に休診時間(お昼の時間帯)に実施しており、所要時間は1時間から1時間半程度です。ご希望の方は事前にご相談ください。
当院に在籍している院長・スタッフ紹介はこちらからご覧いただけます
リハビリによって得られる効果
リハビリを継続して行うことで、以下のような効果が期待できます。
・痛みの緩和
・筋力の回復や維持
・関節可動域の改善
当院での実績として、椎間板ヘルニア(グレード4~5)により後ろ足が麻痺していた犬が、数週間のリハビリを経て徐々に歩けるようになったケースもあります。また、加齢による筋力の衰えが心配されていた高齢の犬が、日常的な運動とご自宅での簡単なケアを続けたことで、体力を維持しながら元気なシニアライフを送っている例もあります。
このように、リハビリは回復期だけでなく、健康を保つ目的でも有効です。
ご家庭でできるリハビリケアの基本
ご自宅でのリハビリは、毎日無理なく続けられるような内容を中心にご提案しています。たとえば、前足・後ろ足の関節をやさしく曲げ伸ばしするストレッチや、硬くなった筋肉をやわらかく保つマッサージなどが効果的です。こうしたケアは、特別な機材を必要とせず、飼い主様の手で行えるものばかりです。
ただし、間違った方法で行うと逆効果になる場合もあります。犬や猫が痛がったり嫌がったりする様子が見られる場合は、すぐに中止し、獣医師に相談してください。また、事前に専門スタッフのレクチャーを受けておくことで、安心して正しい方法を実践できます。
当院では、リハビリに関するご質問やご相談を、診察時だけでなくお電話でも受け付けております。
「うちの子にもできるかな?」と不安を感じた飼い主様は、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
犬や猫のリハビリは単なる治療の延長ではなく、飼い主様と専門家が一緒になって行う継続的なケアです。動物病院だけでなく、ご家庭での日々の取り組みが成功の鍵を握ります。特に、早い段階からリハビリを始めて継続することで、痛みの軽減や筋力の維持につながり、生活の質の向上が期待できます。
当院では、経験豊富な専門スタッフが丁寧に指導を行い、それぞれの犬や猫に最適なリハビリを提供しています。愛する家族がいつまでも元気に、自分の足で歩いて過ごせるよう、ぜひリハビリを取り入れてみてはいかがでしょうか。
不安なことや相談がありましたら、診察時だけでなく、お電話でもお気軽にお問い合わせください。
お電話でのお問い合わせはこちらから↓042-452-8838
■関連する記事はこちらから
犬の股関節に起こりやすい病気を解説!(股関節形成不全、レッグペルテス、股関節脱臼について)
東京都調布市の動物病院なら『タテイシ動物病院』
【当院のアクセス方法】
府中市・三鷹市・狛江市アクセス良好です。
■電車でお越しの場合
・京王線 調布駅 東口 徒歩5分
・京王線 布田駅 徒歩5分
■バスでお越しの場合
布田一丁目バス停から徒歩1分
■車でお越しの場合
調布ICから車で6分
病院隣に当院専用駐車場2台あります。
※満車時はお会計より近隣パーキング料金(上限あり)をお値引きいたします。