【獣医師が解説】犬や猫の下痢、様子見で大丈夫?病院へ行くべき危険な症状とは

【獣医師が解説】犬や猫の下痢、様子見で大丈夫?病院へ行くべき危険な症状とは

愛犬や愛猫が「今朝は元気だったのに、急に下痢をしてしまった」「何度か下痢をしているけれど、まだ食欲もあるし様子を見ても大丈夫かな」と飼い主様であれば、一度はこんな不安を感じたことがあるのではないでしょうか?


犬や猫の下痢は一過性のもので自然に改善することもありますが、背景に重大な病気が隠れていることもあり、自己判断が難しい症状のひとつです。


そこで今回は、「様子を見てもよい下痢」と「すぐに動物病院を受診すべき下痢」の見極めポイントなどを解説します。


下痢はなぜ起こる?犬や猫の体で起きていること

下痢とは、腸の水分吸収バランスが崩れることで、便が通常よりも柔らかくなり、水様性になった状態を指します。健康な腸は食べ物の栄養や水分を適切に吸収し、形の整った便をつくりますが、さまざまな原因によってこの働きが乱れると下痢を起こします。


代表的な原因には以下のようなものがあります。


<腸内細菌バランスの乱れ>
腸内には善玉菌や悪玉菌などがバランスを保って存在しています。しかし、ストレスや環境の変化などによってこのバランスが崩れると、腸の免疫が不安定になり、下痢が引き起こされます。当院で診察する下痢の症例のうち、およそ半数がこのタイプです。


<急な食事の変更>
フードを急に切り替えた場合、消化機能が追いつかずに下痢を起こすことがあります。


<ストレス>
引っ越しやトリミング、旅行、来客など、飼い主様にとっては些細に思える変化でも、犬や猫にとっては強いストレスになることがあります。これにより、腸の動きに悪影響を及ぼすことがあります。


<感染>
細菌やウイルス、寄生虫などが腸に感染すると、急性の下痢を引き起こす場合があります。


<内臓疾患による影響>
下痢は腸そのものの異常だけでなく、腎臓病や肝臓病、膵炎などの内臓疾患や子宮蓄膿症などからの敗血症が原因となって起こるケースも少なくありません。これらの病気では、体内の代謝バランスや消化酵素の働きが乱れることで腸に負担がかかり、結果として下痢という症状が現れることがあります。


一見すると軽い不調に思える下痢でも、原因は多岐にわたり、注意が必要です。


【ケース1】元気・食欲がある一過性の下痢|様子を見ても良い場合

下痢の中でも最も多いのが、元気や食欲が保たれていて嘔吐のない一過性の下痢です。原因の多くは、腸内細菌バランスの乱れや食事の急な変更、またはストレスです。こうしたケースでは、適切な対処を行えば、自宅でのケアでも回復することがあります。


このような場合には、以下のような対応や注意が必要です。


・胃腸を休ませるために、半日から1日程度の絶食を行うことがあります(ただし、水分はしっかり与えてください)
・状況によっては、動物病院で処方された整腸剤や下痢止めが有効です
・人間用の整腸剤(ビオフェルミンなど)は、犬や猫の胃酸によって分解されてしまい、効果が十分に発揮されないため使用は避けてください


また、「いつもより元気がないかも」「便の状態が心配」など少しでも気になることがあれば、早めに動物病院に相談することが大切です。早期に適切な処置を受けることで、重症化を防ぐことができます。


【ケース2】すぐに病院へ行くべき危険な下痢

下痢が見られる際に、以下のような症状が同時に現れている場合には、すぐに動物病院を受診する必要があります。


・繰り返す嘔吐
・ぐったりして元気がない
・血便が出ている
・食欲がまったくない


特に、嘔吐を伴う下痢は脱水症状を起こしやすく、内服薬は胃の動きが全く見られないため、効果が出ないどころかさらなる嘔吐につながってしまいます。このため、点滴や注射による治療が必要になるケースが多く見られます。


また、若くて普段は健康に見える犬や猫であっても、免疫力が未熟なために急激に症状が悪化することもあります。命に関わる場合もあるため、「様子を見ていてよいかどうか」判断に迷うときこそ、早めに獣医師に相談することが重要です。


なお、当院では手術や検査時間帯であっても緊急対応が可能です。緊急時にも対応できる体制を整えておりますので、安心してご来院ください。


【ケース3】3週間以上続く慢性的な下痢|慢性腸症の可能性も

下痢が3週間以上続く場合、単なる一過性の症状ではなく、「慢性腸症」と呼ばれる疾患の可能性があります。これは、さまざまな治療に対する反応を見ながら、段階的に診断・治療を進めていく病気です。


犬や猫の慢性腸症の診断方法や治療方法についてより詳しく知りたい方はこちら


また、主に以下の4つの分類があり、それぞれ治療法が異なります。


◆食事反応性腸症(FRE)
最初に食事療法(低脂肪食、または低アレルギー食、もしくは繊維の分解しやすいごはん)を行い、改善が見られればこのタイプと診断されます。


◆抗菌薬反応性腸症(ARE)
プロバイオティクスや抗菌薬を使用し、腸内細菌のバランスを整えます。


◆免疫抑制剤反応性腸症(IRE)
ステロイドや免疫抑制剤を投与して改善が見られる場合、このタイプと判断されます。


◆治療抵抗性腸症(NRE)
上記のいずれにも反応しない、難治性の腸疾患です。


重要なのは、焦らず段階を踏んで治療を進めることです。特に猫の場合、慢性腸症の背後に「消化器型リンパ腫」という悪性腫瘍が隠れていることがあり、その発生率は10〜30%とされています。初期症状が慢性腸症と類似しているため、見過ごされやすく注意が必要です。


ほかにも、内視鏡検査や超音波検査など、より詳細な検査を受けて正確な診断を得ることが、犬や猫の命を守る第一歩です。


下痢を繰り返さないために|日常でできるケアと再発予防

一度下痢が治ったとしても、原因が改善されていなければ再発することは珍しくありません。腸内環境を良好に保つため、日常生活の中で以下の点を意識しましょう。


・フードの変更は14日間ほどかけて少しずつ切り替える
・人間の食べ物や脂っこいおやつを与えない
・環境の変化や留守番、来客などに配慮し、ストレスの少ない生活リズムを整える
・便の状態を定期的にチェックし、異常があれば早めに動物病院を受診する


当院では、トリミングやホテルをご利用の際にも、スタッフ間で体調変化を迅速に共有できる体制を整えています。下痢の再発予防を含め、日常の健康管理に関するサポートも行っております。


タテイシ動物病院での診療とサポート体制

当院では、総合診療医として幅広い視点をもって診察にあたり、犬や猫の下痢の原因を正確に見極めるための体制を整えています。診療では、問診をはじめ、便検査や血液検査、超音波検査などを組み合わせることで、根本的な原因を探り、適切な治療に導きます。


また、ペットホテルやトリミングの際にも、スタッフ間で体調の変化を細かく共有し、異変を見逃さないようにしています。年中無休の診療体制で、急な体調変化にも柔軟に対応可能です。


何かご不安なことやご不明な点などがございましたら、お気軽にご相談ください。


まとめ

犬や猫の下痢は、軽い症状から重大な病気まで幅広く、判断が難しいことが多いです。元気や食欲の有無、下痢が続く期間などをしっかり観察し、必要に応じて速やかに動物病院を受診することが大切です。


また、人間用の薬で対応するのではなく、動物専用の治療を受けることで、より安全かつ的確な処置が可能になります。特に、3週間以上続く慢性下痢や、嘔吐を伴うケースでは、早期の検査と治療が犬や猫の命を守ることに繋がります。


当院では、どんな些細な症状でもお気軽にご相談いただける環境を整えております。「少し様子を見ようかな」と思ったときこそ、ぜひご相談ください。


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